▼ Film Score Work


(データ提供 : Sakura-teiさん)

VIDEO GOD 1 [RE-MIKKYO]

●VHS : アスク講談社/東芝EMI◇TOVH-1080('92/07/08) ※生産中止
●LD : アスク講談社/東芝EMI◇TOLS-1187('92/07/08) ※生産中止

- Chapters/Tracks
1. 目の行(サードアイ)
2. 梵字・阿字観
3. 月(太陽)の行
4. 水の行
5. 護摩行(火の行)

【 Director 】
HARUO

【 Music 】
三宅純

【 Adviser & Vocal 】
稲塚宏明

【 Comment 】

 解説によれば、霊能力者・稲塚宏明氏によって抽出された5つの密教トランスメソッドをベースに「密教体験」を「RE-MIKKYO」として再構築したもの、だそうです。ゆらめく炎や印を結んだ手、仏像、曼荼羅などをコラージュした幻想的な映像に、淡々としたハウス系の音楽が乗っかるというビデオドラッグ的作品です。
 楽曲的には打ち込み中心ということで、この時期リリースされた三宅さんのシングル群と同傾向とも言えますが、楽曲の性格上JMテイストは薄めで、かなり異色の作品でしょうね。でも、たまに出てくるラッパとかは「おお、三宅さんだー」って感じの音です。
 収録曲の内、「目の行(サードアイ)」が「Third Eye」として『Ici Tokyo』に、「月(太陽)の行」が「Ship」として『常夏乃憂ヒ』に収録されています。ちなみに『angels rondo』収録の「あのそら」は、後者の別バージョンです。

 稲塚さんは、幼少の頃より霊感に目覚め、霊能力者として様々なところでご活躍なさっている方です。三宅さんとも交流が深く、お二人の出逢いの時のエピソードが稲塚さんのHPに掲載されています。
 この度、この作品を紹介するにあたって、稲塚さんご本人より以下のコメントを頂きました。ありがとうございました。

≪『RE-MIKKYOについて

Text : 稲塚宏明
(構成 : Kiev)


企画制作の経緯
 このビデオの制作については、実は三宅さんの方から頂いたお話なのです。三宅さんの友人で企画をやっている方がいらして、その方から「そんな霊能力者がいるのなら、それに関するビデオを出さないか?」ということでした。
 それで、内容とコンセプトを私が、音楽を三宅さんが担当するということになりました。私は、密教には絶対不可欠な“五”という数字に絡めて五つのものをコンセプトとして考え出しました。
 予算の関係で、音楽の方は三宅さんのご自宅の仕事部屋で制作することになり、三宅さんが前もって仕込んでおいて下さっていたオケ5曲に、2日間かけて読経を録音しました。これらの曲の録音に対して強く念を込めることが求められたので、その念を完璧にするために2日に分けたのです。その読経に関しても、般若心経と不動明王真言(慈救呪)以外は一般的には知られていないお経を用いることで、呪文や経文の多用を控えました。
 三宅さんには、ご自宅で以前に修した法要での経文を前もって覚えて頂いていたので、それを基に作曲して頂きました。その素晴らしい出来上がりと完成度の高さには驚きました。

各トラック解説


1の行 「目の行(サードアイ)」
 これは仏様の眉間の上にある疣(イボ。正式には白毫(びゃくごう)と呼ばれる長い毛)を意識して神経を発達させると、直感が優れて感じやすくなるために霊感が芽生えてくるという行です。

2の行 「梵字・阿字観」
 「阿」という文字は全ての言葉の始まりであり、真言宗では「大悲胎蔵界大日如来」を表しており、死者の額や位牌に書くことで「大日如来の大悲心で迷うことなく成仏へ導く」ことを意味しています。
 本来は掛け軸の真ん中に満月を書き、その中央に蓮華の台座に乗った「梵字の阿」を書いたものを目の高さに掛け、その梵字の裏に1本の蝋燭を立てて、暗闇の中で様々な印と真言で身体と心を清め、その掛け軸の梵字と一体になるための瞑想をします。それによって自分が自然と一体になり、獣達のように様々な感覚を磨くことが出来ます。

3の行 「月(太陽)の行」
 太陽は「金剛界大日如来」を表し、月は「胎蔵界大日如来」を表します。それぞれの曼荼羅「両界曼荼羅」の全ての仏と一体化し、自分自身を仏様の世界に身を投じて「入我我入」を実体験し、仏様に自分自身を変化させて奇跡に近い事を起こす「即身成仏」を達成させるという行です。

4の行 「水の行」
 水は「閼伽水」ともいい、お清めのために用いるもので、真言宗の護摩行においても深夜2時に閼伽水を汲んで本尊の不動明王に捧げたりします。
 ということで自分の心を清めるための修行としての発想だったのですが、この画像を見た時、三宅さんと共に「そのまま水だけやン!」とユニゾンで突っ込みを入れてしまいました。

5の行 「護摩行(火の行)」
 護摩行とは別名「拝火教」とも言われるゾロアスター教と仏教が合わさって行われ始めた儀式で、供物を火に燃やすことでいち早く仏が住む極楽へ運んで願いを叶えてもらおうとする行です。「護摩」の語源もヒンドゥー語の「ホーマ」から来ており、今もインドではヒンドゥー教の僧侶が行っているものもあります。現在の密教で行われる護摩行は、護摩壇に仏を請来し、その徳によって護摩壇の火を持って人々の願いを叶えるというものです。
 最初に出来上がってきた画像に関して私は憤慨してしまったので、出版社に対して抗議した上で「MC」にも無理やり参加し、画像の修正にも指示を出させて頂きました。
 ご覧になって頂ければお判りになると思いますが、“目隠ししてやるレズセックス” “ビン詰めの胎児” “男根” 等と、煩悩というにはあまりにもいかがわしい画像の連続にも関わらず、その煩悩を燃やすはずの炎が弱かったのです。そこで、出来る限り強い炎を描いて頂くことにしたのですが、それでもまだ不完全だと感じたので、「特定の宗教・宗派とは違う」旨の但し書きを付け加えてもらいました。


 こういう経緯がありましたので、とても大変な仕事でした。でもこれは、自分以上に三宅さんがお疲れになったと思いますよ。



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