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30分ほど休憩を交えて、第2部のスタートです。
第2部では、ベルリン公演の予定セットリストで「アンコール候補曲」として用意された楽曲がずらっと並びます。
三宅さん「普段は、十分酔っ払ったお客さんを相手にした演奏しかないもんですから・・・」
寺門さん「はじけましょう!」
なんか、かなりお行儀の良いお客様に逆に戸惑っていらっしゃったご様子(笑)。
〈第2部 ステージ〉
M-9 「Cubic」
突然、ともさんの激しいドラム・ソロからスタートしたこの曲はソロアルバム未収録曲の「Cubic」。ドラム・ソロに大路さんのサックスのメロがフリージャズのようにひとしきり絡んで1分くらいのイントロを奏でると、体勢を整えるかのように、ともさんのゆったりながらタイトで規則的なドラムがリズムをキープし始め、それに乗って大路さんのサックスのリフが象の行進のような様相でいなないてきます。その合間合間に顔を出すギターのフレーズは何気にアラビックな香り。ベースはクールにブンブン地を這い、コード感が希薄な乾いたファンキーグルーヴがひとしきり続きます。
一見フリーキーな香りの強いサウンドになってはいるものの、何と言っても特筆すべきなのは、ともさんのまるで打ち込みドラムを人力再現しているかのような、タテノリ感炸裂の非常にタイトなドラム。荒くれ者どもを前にポーカーフェイス(そのお顔は怪しいですが・・・笑)で見事手綱を引き、奇妙なバランスでサウンドのトータリティーを保っている感じが非常に魅力的です。
中間部では、一時リズムがブレイク・ダウンして、おおたかさんの無国籍語によるスキャットを大フィーチャー。再びサックスのリフに戻ると、今度は窪田さんのギターソロでリズム・ブレイク。ともさんはドラムから細かいパーカス・サウンド系に移り、大路さんもパーカスで応戦。最後に再び、本来のビートを取り戻すと、ギターソロから三宅さんのエレピソロと流れていき、再びのアラビック・フレーズに包まれて、大路さんのサックスでキメ!
とにかく演奏時間は10分を越えていたでしょうか。非常にテンションの高い演奏にもう圧倒されっぱなし。
この曲では、寺門さんは客席のバックでなにやら「闇の妹」人形を作っていらっしゃって(詳細は寺門さんのHP参照)、そのパフォーマンスの過程をビデオカメラを通して、壁のスクリーンに映していらっしゃいました。
その「闇の妹」ですが、そのまま現実に抜け出したかのような、そっくりの風貌のモデルさんもいらっしゃって、私の場所からすぐ近くにいらっしゃったせいか、ちょっとドキドキしてしまいました(苦笑)。
M-10 「Pedal」
しばしの静寂の後、ライヴアルバム『常夏乃憂ヒ』収録曲である「Pedal」。曲の全編に渡って支配しつづけるゲタ夫さんのベースのフレーズ(「デ〜ンデ、デデンデ・・・」というアレです)が鳴り出すと、それに追従するような形で、ワウのかかった独特の窪田さんのギターのカッティングが絡み、伊丹さんと共に細かい音の綾を紡ぎ出していきます。三宅さんもローズでクールに応酬。また、ともさんのハイハットの細かい刻みがスリリングな疾走感を作り出し、ゲタ夫さんのベースと共に追い立てられるような不気味なテンションを生み出していますね。かっこいい!
大路さんのバスクラのリフに続いて、三宅さんのエレピの一発が気持ち良いアクセントで響き渡ります。
その後、とてもスローでありながら、バックのスリリングなサウンドとの対比でかなり不気味に聞こえる大路さんのバスクラがしばしソロを取ります。時には音量が次第にフェイドアウトする場面もあり、曲の不気味なテンション感がいっそう引き立つ憎いPA演出。大路さんのサックスリフ〜三宅さんのエレピのキメを何度か挟んで、テンションを崩さない猛者の演奏がひたすら続きます。時にはともさんの細かいリム・ショットが非常に気持ち良く響き渡り、もう、うっとりぃ〜な私。
この曲も「Cubic」に続き、10分を越える長い演奏だったにも関わらずあっという間に駆け抜けていった感じでしたね。そんな中、私はふと小学生の時に教室を暗くして観た文部省映画「野生の世界」(というタイトルだったような・・・?)の映像が頭によみがえりました。サバンナの弱肉強食の世界が強烈に描かれた、小学生にはかなりショッキングでかつB級感あふれるあの映像世界。特にライオンやチーターなどの肉食獣の狩りの一部始終・・・。そのイメージに半ばシンクロしつつ観戦していた私でありました。
寺門さんはステージ右側の壁に移動し、「ヒトガタ」カンバスの上にペイントを展開。よく見ると天使の羽とおぼしき模様の断片などが描かれていました。迷いのない流麗な筆運びがとても印象的でした。
M-11 「Rotally」
この曲は昨年の横浜Motion Blue公演で新曲として披露されたものの、私にとっては今回初お目見えという新曲であります。三宅さんのローズのリフに続いて、いきなりともさんによるBPMの高いジャングル・ビートを人力再現したかのような強烈なドラム・ビートが炸裂し、ジェームス・ブラウンが登場して「ゲロッパ!」といわんばかりのご機嫌なR&Bムードのホットなリズムが展開します。
ギターは片やカッティング、片やソロを奏で、三宅さんのローズがオタケビをあげます。PA的に控えめながら、R&Bテイストをリズミックに支えるカッティングは伊丹さんだと思うのですが、三宅さんのローズと窪田さんのギターは対照的に鋭い切り込みで雷雲を呼んでくるようです。でもそのミスマッチ感がまた素敵。そして、窪田さんのギターが次第に熱を帯びた演奏となり、強烈に激しくも美しいギターソロへとなだれこみます。
三宅さん以外のメンバーはほとんどイスにすわった状態での演奏なのですが、この時は、ここぞとばかりに窪田さんが立ち上がっての熱いソロ。しかし、なぜか終始客席に背を向けての謎のプレイ(機材面でなにかあったのかな?)。もうどこまでも貫いていかんとする稲妻のようなギターソロがひとしきり続いたところで、バトンは三宅さんにタッチ。ギターソロに負けじと、これまたとても速いパッセージのラッパ・ソロの応酬。もう、否応がなくテンションは高まっていきます。ともさんと大路さんのツイン・ドラムもそれに呼応してか、ますます演奏に熱を帯びてくる様子。グルーヴの肝であるゲタ夫さんのベースは見た目はクールに、しかしサウンドはとてもファンキーにグルーヴをキープします。ひとしきり、ラッパの音が宙を駆け巡った後は、そのままローズ・ソロへと移り、徐々にリズムはブレイクしていきます。その後、イントロのローズのリフが再び顔を出すと、息を吹き返したサウンドはエンディングへ一気になだれこみ。嘶くようなローズのフレーズが合図となっていましたね。もう、ドン・コーネリアスもノリノリごきげんの狂乱の大パーティーといったサウンドで(客席はおとなしかったけども、気持ちは熱かったと伝え聞きます)、今宵のクライマックスに相応しい熱い盛り上がりでした。
いやあ、第2部は全編熱いサウンドのオン・パレード。第1部のエキゾティカ路線がウソのよう(笑)。
M-12 「Ave
Maria」
そうこうしているうちに、今宵のステージもエピローグを迎えます。
三宅さんのローズから、「Ave
Maria」のフレーズが水面にゆったりと拡がる波紋の揺らぎのように、微妙なバイブレーションを伴って荘厳に響き渡ります。何度聴いても、この「Ave
Maria」の音が鳴るとなんとも特別な気持ちにさせてもらえますよねぇ〜、名曲ってすばらしい。
三宅さんのメロディーに合わせて、何気に「トン!」「タン!」とスネアを切り込むのは大路さん。それを見て妙に笑いを堪えるのは窪田さん(笑)。大路さんのすっとぼけた感じがとてもユーモラスで思わず笑ってしまいます。
じわじわと大団円へと向かうにつれ、ともさんと大路さんによってシンバルの音が効果的にフェイドインされ、次第にパーカス隊は目の前の楽器群にブラシをかけまくり、場を一気に盛り上げます。が、その様がまた妙に可笑しくて会場からも笑いが(笑)。そして、三宅さんのメロの最後の一音がゆっくり闇に消えたところで今宵のエンディング。
ところが大路さんはブラシをかける手をまだ止めようとしません。もうお約束になってます(笑)。この顛末を見守る残りのメンバー。みんな笑いが止まりません。よく見ると、大路さんのブラシは松の枝のようなものを使っていたんですね(あれは天然素材?)。縦横無尽にブラシをかける大路さんの様は、まるで屋台で焼きそばを焼くオヤジのようでもあります(笑)。でも、とても美味しそうな出来ばえ・・・。そして、ひとしきり引っ張った大路さんの手が止まると、会場からは笑いと共に大拍手。
「リハーサルと言いつつ、あんまり反省会をすることなく、今晩も過ぎてしまいました。・・・まっ、いっか。毎回、違いすぎて反省しても次回に活かされないものですから、今日はこういうことにしたいと思います。どうもありがとうございました」
と三宅さんの最後のごあいさつ。
改めてメンバーを紹介して終了となりました。
(実は、おおたかさんが早々にステージから引っ込んでしまったため紹介が遅れるハプニングがありましたが、何はともあれ、リハは無事終了となりました)
いやあ、リハとはいえ、本当にテンションの高いステージ、どうもお疲れさまでした。おそらくはベルリン及びパリのステージは今宵のサウンドとはまた違ったものになるものと思われますが、今宵のステ−ジを聴く限り、十分にエキサイティングで熟成発酵の効いたサウンドになっていたと思います。
また、ライブに合わせてペイントをされていた寺門さんも今回はライブ・サウンドから受けるインスピレーションをリアルタイムに自由にキャンバスにぶつけていたようで、その不思議な完成形にもとても満足されていたようです。私は「闇の妹」の行く末が妙に気になりました(笑)。ちなみにこの時の一連の作品はご自身の解説とともに寺門さんのHPでも写真がアップされていますので、そちらの方も参照されて下さい。
リハと言いつつも、非常に気合の入ったテンションの高い演奏にとても満足した私でした。なかなかライブステージが見られない分、非常に貴重な時間を過ごすことが出来て良かったです。出来れば、映像ソフトという形でまた観ることができたらファンも幸せだと思うのですが・・・。いかがなものでしょう?
とにかく、メンバーのみなさま、本当にお疲れさまでした。こうなると、ベルリン及びパリでの公演のお土産話がとても楽しみですね。乞うご期待です。
終演後、店内には『Innocent
Bossa in the mirror』のサウンドがゆったりと流れ、祭りの後の余韻をゆったりと演出しておりました。といっても、ふと時計を見るともう深夜0時前です(分かってはいてもヤバイ¥時間だぁ〜!)。慌てて会場を後にした私でした。
そういえば、J-WAVEが六本木ヒルズ新社屋移転を記念して期間限定で行っていた巨大なサウンド・インジケーター(ラジオのレベル・メーターをビルの窓に映し出したもの)がちょうどこの日までやっていまして、ライブ会場に向かう途中になんとか滑り込みセーフで見ることができました。でも、夜景をバックに遠くから見た方がもっと綺麗だったんでしょうね。
ということで、だらだら長い拙いレポにお付き合い下さいましてありがとうございました。スタジオのKievさん、どうぞ! |