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"Exotica in Berlin"
ベルリン・ジャズ・フェスティバル公開リハーサル 第2夜@SuperDeluxe '03.10.31 |
Text : midi
(構成:Kiev) |
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2003年10月31日、青山CAYに続いて最終リハとなる六本木SuperDeluxeでのライブが行われました。
東京の新名所となった六本木ヒルズのすぐ近くというロケーションで、さすがに街並みは華やかな雰囲気でいっぱい。
ライブ会場は某ビルの地下にありまして(1階はレストランだったかな?)、階段をゆっくり降りていくと、そこは地下のボイラー室・・・ではなくて、受付を挟んで、その先に開演前の喧噪をパッキングしたライブ会場が所狭しと待ち構えています。受け付けを済ませて会場に足を踏み入れると、そこは突然、地下会員制クラブかと思えるような独特の華やかな雰囲気。会場は既に人で埋め尽くされており、ほろ酔いムードの和やかな喧噪が広がっておりました。うわぁ〜、結構入ってるなぁ!
CAYがステージ正面に見て縦長だったのに対し、SuperDeluxeは、横長のスペースの中央に演奏ステージを配する間取りになっていて、縦の奥行きがあまりない分、ステージと客席の距離がとても近いため、基本的に会場のどこにいてもアリーナ席感覚。中央の演奏スペースには、既にCAY同様の配置で楽器とメンバーの座るイスがセッティングされていて、主人が来るのを今か今かと待っています。その周りを非常に至近距離で客席が用意され、その様は「10代しゃべり場」か「YOU」(古いか・・・)か、とにかく近い(笑)。お客さんの数が多かったせいか、テーブル席は本当に少数になっていて、後ろのカウンターそばでスタンディング観戦しているお客さんに混じって私も見ておりましたが、それでも目の前数メートルの距離ですもん。こちらも緊張しちゃいます。
ステージを中央に挟んで左右の前面の壁には、寺門さんのライブ・ペインティング用と思われる黒い「ヒトガタ(人形)」のカンバスが貼ってあり、今回のパフォーマンス用のものとひと目で分かります。そして向かって左側面の壁には更に大きな紙が、右側面の壁には何かを映すのか、大きなスクリーンが用意されています。
果たして、どのようなパフォーマンスが展開されるのか、サウンド共々興味が募ります。
〈第1部 ステージ〉
M-1 「Elfin」
そうこうしているうちに、定刻を少し過ぎて、おなじみ「Elfin」のイントロが開演の合図とばかりに鳴り響きます。例のセクシャル・ボイスと「ヴォォォォ〜」というちょっと不気味な感じのする重層なフリューゲル・サウンドをバックに、今回のベルリン・ツアーご一行様が次々とステージに登場します。
シックなブルーのステージ衣裳に身を纏った三宅さんを筆頭にメンバーが次々と客席の後ろから登場すると、それぞれのポジションについて戦闘体勢に入ります。
そんな中で、一人だけいつもと違う出で立ちのお方が混じっている・・・!? そうなんです。なんと今回、ともさんはアフロ・ヘアをかぶって登場してきました(笑)。なんか怪しい露天商というか、胡散くさいぞビームを十分に撒き散らしておりますが、それでも妙にハマっていて思わず笑ってしまいます(ともさん、ごめんなさい。でも何でこんなにハマっているんでしょう!)。
窪田・伊丹両ギター侍に、ゲタ夫さん、おおたかさん、大路さん、ともさんと役者が全てステージに揃うと、即座にオケに呼応して音を発していきます。唯一、出番を次曲に控えるおおたかさんは、ちょっとパンキッシュな山口小夜子といった風情で、じっと会場の様子をご覧になっていました。大事な華です。
サウンドは、ともさんと大路さんによる雷雲がゴロゴロ鳴り響くようなドコドコ荒々しいドラム・サウンドが響き渡り、三宅さんのラッパもそんな空気を更に煽るように妖しく高らかに吠えまくります。
また、ステージ左手の壁にはすでに寺門さんも登場してペイントを開始しています。さあ、今宵のパフォーマンスはどのような結末が待っているのでしょう?
M-2 「Calluna」
続いて、ミニマルなギターのリフに三宅さんのローズがコブラ笛のように絡みつくイントロにのって「Calluna」がスタート。それにともさんと大路さんによるダイナミックなリズムのうねりが加わり、らくだに乗った商人が行き来する様や砂漠風といった中近東あたりの風景が勝手に頭の中に飛び込んできます。
「六本木キャッツ・アイ」状態のゲタ夫さんのベースからは「ヴゥ〜ン」と地中からうなり響いてくるようなバイブレーションが作り出され、おおたかさんの呪文のようなボーカルがインサートしてくると、それはもう水晶玉をじっと見据えて未来を占うシャーマンのような感じ。水晶玉にはいったい何が見えたのでしょう・・・?
思わず、燃え盛る炎を前に踊り狂うシャーマンの姿が浮かんできます。
そんな様をどんどん煽るに十分な強烈なビートがこれでもかと場を盛り上げ、ギターとローズのフレーズが替わりばんこに、時には絡み合いながら妖しい色をどんどん添えていきます。神秘的な香りの漂う異郷の地への誘いですが、早くもこの身は熱く揺さぶられちゃってますぅ。窪田・伊丹両氏のギターと三宅さんのローズの音が交錯し、リズム隊と渾然一体の「るつぼ」と化すクライマックスは圧巻のひとこと!
ここで、バンマス・三宅さんのMC。
「こんばんは。チラシにも書いてありますけど、リハーサルでございまして・・・本気のリハーサルです。今日は特別に画家の寺門孝之さんが、リハーサルにも関わらず、本気で絵を描いてくれています」
ということで、寺門さんは今回は「天使」や「龍」といったテーマを設けず、ライブ演奏に合わせての自由な即興ペインティングになるとのことで、既に描かれたものは形容の難しいとても抽象的な模様。まだライブは始まったばかり。これからどのように変化していくかか楽しみですね。
M-3 「Eastern
Twins」
ちょっと物悲しげなロマ・テイストのするギター系トレモロのイントロと共に、オリエンタル・エキゾの香りにあふれた「Eastern
Twins」。続く「Mosquito Path」のイントロとして、昨年の北京公演でも披露されたという本楽曲ですが、子供の頃に本で親しんだ中国の民話の世界を感じてしまうような、たおやかなおおたかさんのボーカルがぐっときますね。
〜「Mosquito
Path」
プリ・トラックのサウンドがゆったりと流れる中、ローズとギターがアンビエンスをゆらゆらと埋めていき、次第に周囲がいろいろな喧噪に包まれていきます。そして、大路さんのフルートと窪田さんのギター(?)のユニゾンによるメロディーが現れると、どこからともなくおおたかさんによるかわいらしい童Voiceと、ともさんによる茶目っ気溢れるおどけたパーカス・サウンドが絡んできて、一気に楽しいサウンド・ワールドに。
三宅さんが白いリコーダーで愛らしいフレーズを出すと、周囲は一気にわくわく動物ランド状態に(笑)。(おおたかさん大活躍!)大路さんも時折、おもちゃの楽器のような音で場を和ませます(この時、大路さんを背にして観戦していたので 、楽器までよく見えなくて残念)。それにしてもこの曲はこんなに楽しい曲でしたっけ?・・・もうどんどん引き込まれていきますね。そんな中で、不意に絶妙のタイミングで、タイトに鋭くリム・ショットを切り込み、かっこいいアクセントを聞かせるともさんのプレイも忘れられません。
M-4 「Burning
man」
ゆったりした曲調から一転して、激しいサウンドの新曲に。「タン・タン・タン・タン」という、ともさんの規則的にビートを刻むドラミングで始まるこの曲は、Kievさんレポによれば「Burning
man」というタイトルだそうです。
ベルリン・レポで三宅さんが「70年代音楽に対してのオマージュ」とおっしゃっていましたが、そういう意味では特に往年のクロスオーバースピリッツ(言葉自体がとても懐かしい響きです)を彷彿とさせるとても疾走感あふれるハードなジャム・セッションという趣です。
ライブ全編を通してとても印象的なミスター・アフロのドラミングから生まれるタイトなグルーヴの上を次々とF1レーサーのように疾走するメンバー。手を出そうものなら鋭いかまいたちにやられそうなピリピリしたテンション感。まるで時限爆弾爆発まであと5分と迫った「爆弾解体班のテーマ」といったらいいのか(これじゃ生きた心地しませんが)、とても手に汗握る演奏です。
構成としては、はじめに大路さんのサックス・ソロ→ベースのゲタ夫さんのリフによって場面スイッチ→窪田さんのギターソロ→ベース・リフ→再び大路さんのサックス・ソロ→そしてエンディング!熱いぜ!
M-5 「Heiden
rose」
こちらも新曲で、前回のCAYでは数回リハ演奏された曲ですが、今回の楽曲の中でも白眉ものの一つと言えると思います。イメージとしては、M-2に続いてどこか中近東風なエキゾ・フレーバーに包まれていて、アラブの石油商人になったような気分でしょうか(笑)。
まずは、窪田さんの爪弾くギターのフレーズに乗って、おおたかさんのヴォーカルがゆったりと乗ってきます。そして、山奥の神社にありがちな1,000段はあるんじゃないかという長い石段の上からいくつもの段ボール箱が次々と転げ落ちてくるような感じで、大路さん・ともさんによる心地良い乾いたリズムが顔を出すと、ローズの音色が蜃気楼の世界に誘うようにゆらゆらと陽炎のごとくヴォーカルを包み込んできて、不思議なトリップ感を演出します。
また、シタールのような音色で切り込むギターやダイナミックにボトムを支えるゲタ夫さんのベースなど、この不思議サウンドのバランス感は見事というしかありません。サビがキャッチーなフレーズで聴き所の一つですが、CMトラックで使用されていてもおかしくないポップさがありますね(使用履歴はあるのかな?)。
でも、何といっても一番の聴き所は間奏の三宅さんのラッパ・ソロでしょう。砂漠の噴煙の中から聞こえてくるような、とても映像を喚起するかっこいいソロでありました。
ここで、小休止してメンバー紹介。
山口ともさんを紹介するときに、「今日はうずまきが見えないんですけど」(笑)。
寺門さんのペイントは一気に側面の大きな壁に移動し、なんとも一筆書きの世界地図を描いているような不思議なデザインが展開されておりました。
M-6 「Rain
Forest」
ゲタ夫さんのベース音をきっかけに、「カッ、キーン!カッ、キーン!」というライブ用に追加されたパーカス音が鳴り始めると「Rain
Forest」のスタートです。ゲタ夫さんのベース音が幾分強調ぎみに聞こえるせいか、CDよりもファンキーでグルーヴィーなサウンドに聞こえますね。そして、それに乗せられるように、おおたかさんの無国籍ボーカルのオタケビが力強く宙を駆け巡ります。うん、本当におおたかさんの声は曲によって変幻自在に姿かたちを変えてきますね。とっても魅力的です。
ともさんと大路さんはツイン・ドラムで力強いアクセントを作り出し、ゲタ夫さんのベースとともに野太い重低音グルーブ磁場を生成しています。それが客席にはボディ・ソニックのようにウェイヴとなってフィードバックするので、思わず体が揺さぶられてしまいます。
本曲は曲のアンビエンスになっているプリプロ・トラックのサウンドとメンバーの奏でる肉感的な生音のブレンド感がとても絶妙で、単なるカラオケ使用を越えた、ライブならではの熟成発酵感が素敵なんですよね。中間部では、三宅さんのラッパと大路さんのサックスのかけあいも見られ、最後まで息つく間を与えないテンションを持続したままのすばらしい演奏です。もうホント、ご馳走さま状態(ふぅ〜)。
M-7 「Lotus
Isle」
今度はゆったりと気持ちの良い「ゆらぎ 1/f」ワールドでございます。ミニマルな金モノ系サウンドがエンドレスに流れるオケだけ聴いてても十分気持ち良いのですが、それに溶け込むように入ってくるローズとギターによる微妙なニュアンスの味付けは見事。
三宅さんのローズは、例えば『Innocent Bossa』の「Cai Nessa」の中でピアノに絡んで聴こえてくるビヤァ〜という効果音っぽい音で、フッと遠くへなびくディレイの効いた独特の音色が気持ちいい限り。何気にフワァ〜っと「心ここにあらず」状態にさせてくれちゃいます。
また、ともさんは木で出来たマレットをポコボコとかわいらしくおもちゃの楽器のように叩き出し、のどかな田園風景に思わずトリップ。大路さんのサックスとおおたかさんのボーカルもそんな雰囲気の中に気持ち良く溶け込み、風のようにそよぎます。
もう、「客席はみ〜んな眠〜くなるぅ〜♪」そんな瞬間アルファ波濃度の高い、ある意味ヤバイひと時でした(笑)。
M-8 「Grapes」
しかし、そんなまどろみ感覚から一気に現実に引き戻すようにハード・ロック・コンサートへウェルカム!
おおたかさんはここではもうパンク歌手といった風情で、とにかくシャウトしまくり!また、それを煽りまくるようなヘヴィな音色のローズとギター。そして、スピーカーから殊更大きな音圧で襲いかかるリズム特攻隊の面々。まるで1曲前の時間が遠い過去のよう(笑)。
この非常に熱いパンキッシュなステージが終わるととりあえず第一部は終了と相成りました。はふぅ〜〜。大体、1時間強くらいの時間だったでしょうか。
メンバーはアルコール補給する人、休む人、それぞれに休憩タイムです。 |
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