CoCa's Wide Shut Update:04/07/30

▼ Report #20


Exotica in Berlin and Paris 〜 Paris編(2)
Text/Photo/Movie : CoCa
(構成:Kiev)

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'03.11.9(Sun)
 朝、大きな荷物の窪田さんとトモさんを送り出して、ホテルの地下でミルクティーを頂いた後、ケイコと待ち合わせし、またしてもカフェ・シャルボンで焼きたてのスコーンを食べながら朝のひとときを過ごした。
 とってもアクティブな彼女は、JM氏をプールの場所まで案内してくれ(この日JM氏はロッカーの鍵の掛け方が分からず、パンツ一丁で震えていたところを親切なフランス人のおじさんに助けてもらったらしい)、私とS嬢をマルシェに連れて行ってくれた。大きめの遊歩道のような場所に、所狭しと並んだテント。最高に楽しいです!
 フランスはさすが農業国だけあって品物が豊富。それでもって結構生々しく陳列されている食品たち。肉屋さんでは内蔵ベロ〜ンとか、魚屋さんでも口から浮き袋出てたり、蜂蜜は蜂がいっぱい死んだまま固まりで売っている。こういう新鮮な素材が都会に住んでいながら普通に買えるのがと〜ってもうらやましいわん。
 ケイコはそこでキノコとワタリガニを買っていました。もちろん生きたままだよ〜ん(ピクピク!)。


=その後のお仕事=

 お昼寝をして、今度は音楽雑誌の電話取材。その電話がかかってこない!とイラツキ始めるJM氏。フロントで確認してみると、客室の電話回線を切っていたことが発覚!
 「この〜ドケチ!」ってなわけで仕切り直しをし、またも待つがやっぱりかかってこない。今度はフロントにも手落ちはないって言ってる。
 「俺の部屋の電話が壊れてるのかな?」
 「Cちゃん(筆者)の部屋の電話借りてもいい?全くどうなってるんだ!」
とほとんどキレているJM氏。
 「まあまあ、落ち着いて・・・」という私に、ものすごい睨みが入る(おっかないよ〜)。

 ようやく電話が繋がり、何とか電話取材終了!
 「俺、ちゃんと喋れなかったかも・・・電話がきちんと繋がるかで結構頭いっぱいになっちゃってたから。あんまり内容とか覚えてないもん! でも、訊かれた事はベルリンよりも面白かった気がするけど・・・」
 それを聞くと、すかさずS嬢が「パパ大丈夫だったよ」と頭をなでている(父親の背中をきちんと見て育っているS嬢に感激ひとしおの私、涙・・・)。

 その後、いつものようにきっちり練習を終えて(S嬢になぐさめてもらいすっかり機嫌が直ったらしい)、迎えに来て下さった絵子さんと先ほどの音楽誌用の写真撮影。
 カメラマンさんとは素敵なバー(ここは渋谷に支店もあるラ・ファブリックでした。渋谷のお店にはJM氏もジャック・タチのイベントで出演したスブリームの助っ人で出演したことがあります)で待ち合わせ。
 現れたのは若くて美しくて無口な男性。彼は挨拶もそこそこにJM氏を外に連れ出し、どんどん裏路地に入って行く。私はS嬢と絵子さんを残し密着取材 開始!
 へえ〜、少し路地を入ると貫禄のある石畳が現れ、道の脇にはチョロチョロと水が流れていたりしていい感じ!
 「切り裂きジャックが出てきそうな場所での撮影なんてそうそう無いわよね」
ということで、その様子を動画で載せてみました。
【 写真撮影されるJM氏 】(178KB)
※要QuickTimeプラグイン

その後、待ち合わせをしたバーの2階で少しだけ続きを撮っておしまい。カメラマンさんは風のように消えていった。

 続いて、Radio Novaへ。
 Radio Novaは以前からJM氏の音楽をリスペクトしてくれているからJM氏の足取りも軽い。'01年の“Record of the Year”に『Mondo Erotica!』を'選んでくれてたし、このリリース時には、JM氏が仕事で行けない事を知っても、どうしても話を訊きたいと急遽スブリームと絵子さんが代わりに出演したこともあったっけ。それがきっかけで『Mondo Erotica!』収録の「La cle」はカフェやバーでもヘビーローテーションでかけられ、CDショップでもフレンチポップのコーナーに置かれたりしたんだよね。
 さて真っ赤なドアを入ると小さな事務所。入ってすぐのソファーで少し待たされる。数分後真っ赤なTシャツに吊りズボンのRemy KOLPA KOPOULさん(プロデューサー/ナビゲーター)登場! 以下レミさんと書きます。

JM氏@Radio Novaのロビー


JM氏&レミさん
 JM氏はかなり前に一度Radio Novaには出たことがあったけれど、その時のナビゲーターは違う人で、レミさんとお会いするのは初めてなんだって。私ももちろん初めて。わあ〜声もガラガラで、オリジナリティーあふれるルックスも音楽の“オタク度”もハル・ウィルナーっぽい。後で聞いた話だけど、2人は友達なんだって(濃!)。
 しばらくレミさんと話していると、どこからともなくかわいらしい女の子2人が現れた。彼女たちはここのスタッフなのかしら? 話に入る訳でもなく、事務所の受付のデスクに腰掛けて楽しそうに笑っている。まるでレミさんの周りでいつも遊んでいる妖精みたい(ホントなんだから!)。

 でもさ、パリ一番のトンガリラジオ番組だというのに、スタッフはレミさんとこれまた金髪のかわいらしいミキサーの女性1人だけなの(彼女は専門学校出たばっかり?って感じ)。しかも、レミさんは彼女に友達感覚でいろいろ「あれやって!」とか指図されてるよう。でも彼って確かRadio Novaのナンバー2くらいじゃなかったけ?
 おっ!ブースに入っていたレミさんが何やらコントロールルームに呼ばれました。ミキサーの横にあるスタンドマイクで番組が始まる直前の予告をするようです。
 うなるようなガラガラ声で、ツインピークスの小人の踊りのように妖しく体を揺らしながら、リスナーの襞をバッチリ刺激する語り。迫力満点、超シュール、超ポップ! 彼を創ったパリは偉い!彼を生かしておくパリは凄い!
 私がコントロールルームからビデオやらカメラやらで、この模様を撮影していたら妖精ちゃんたちがOA中に入れるようにレミさんに言ってくれました。
 そんなわけで私、幸運にも“JM氏 Radio Nova出演”をブース内で見られる事になっちゃいました(この幸せを皆さんにどうお分けするかは後でゆっくり考えまーす!待っててね)。
 さて、ブースの中へ。

 1曲目は、JM氏の『永遠ノ掌』から「ホシクズ」。
≪曲中≫
 レミさん 「この曲はどういう意味なの?ラブソングのように聴こえるけど」
 JM氏 「これは普通に聴くとラブソングなんだけど、唄っている彼は“薬”が大好きで、女の子じゃなくて、“薬”に向かって愛を唄ってるんだ」
≪曲明け≫
 その後、JM氏の経歴を紹介。

ブースの中


 レミさん 「昨日のライブはどうだった?どんな感じだった?」
 JM氏 「僕たちはライブの度に結構変わるし、毎日話す事も違うし、昨日は満月だったし(レミさん&絵子さんオオカミとなり雄叫びの様子)、コントロール不能だったよ」
 レミさん 「アルチュール・Hやプラッド・スコットとはどうやって知り合ったの?」
 JM氏 「'00年の年末、パリでプライベートショーをやるのにベースプレーヤーを探していたんだ(シャイヨー宮のインプロヴィゼーションのこと)。そしたら偶然アルチュールのコンサートが日本であって、絵子の紹介で僕のホームパーティに招いたのがきっかけだよ」
 レミさん 「君の曲の中にはたくさんのフランス語やフランスの女の子が出てくるけれど、どうしてなの?」
 JM氏 「ああ、それはね、フランスの女の子はとってもかわいいし、フランス語はセクシーで、言葉の響きがとても美しくて大好きだからさ」

 2曲目は、JM氏の『星ノ玉ノ緒 - ENTOROPATY』から「MA PUS」。
 3曲目は、フィリップ・ドゥクフレ作、『トリトン』のサウンドトラックから(曲名は分かりません。ごめんなさいネ。マリンバと弦が入った千夜一夜物語を思い浮かべるような感じの曲でした)。
 レミさん 「ドュクフレとはどうやって知り合ったの?」
 JM氏 「彼が日本でのパフォーマンスのために日本人の作曲家を探していた時、偶然パリで僕の『ENTOROPATY』を聴いて声をかけてきてくれたんだ。その時僕はちょうど別の仕事があってその仕事を受けることが出来なかったんだけど、後で彼が電話をかけてきてくれて改めて会い、京都とパリのインプロヴィゼーションで競演したんだ」
 レミさん 「音楽的にフランスで行われていることに関してどう思う? 興味ある?」
 JM氏 「もちろんありますね。いつも出来る限りチェックしているし、その中で活動してみたいと思っているよ」

 4曲目、ロバート・ワイアットの『クックーランド』から「Old Europe」(お薦め!)。
 5曲目、JM氏の『Innocent Bossa』から「Lista De Praias」(この2曲の組み合わせ素敵でした)。
 この曲がかかっている間、アートが出演した時のクレイジーだったお話や、今度の日曜日の午後にトロピカリズモ音楽特集するんだ、なんて話をしました。そこでもJM氏の曲をかけてくれるのかな? 彼はブラジルが大好きのようで、25回も行った事があるんだって!
 レミさん 「アート・リンゼイとはどこで知り合ったの?」
 JM氏 「アートと出会ったのは80年代、アンビシャス・ラヴァースの時代で・・・(中略)。ボサノバのアルバムを作らなくちゃいけなくなった時、ボサノバ=イノセント=アート・リンゼイだな!と思い付いたんだ」
 レミさん 「このアルバムの曲をブラジルで演奏したことある?」
 JM氏 「まだないよ」

 (レミさんが次の曲紹介をしています。何やらJM氏の名前も出ている。何て言っているんでしょうか?)
 6曲目、チェットベイカーの「I fall in love too easily」。
≪曲中≫
 JM氏 「レミは何て言ってたの?」
 絵子さん 「昨日のライブは70年代マイルス・デイヴィス的なところがあったんだけれど、だからってここでマイルスを選曲するのは面白くない。そこでジュンはトランペット奏者でもあるから、チェット・ベイカーを選んだって」
≪曲明け≫
 レミさん 「ハル・ウィルナーとは、どうやって知り合ったの?」
 JM氏 「彼が手掛けたディズニーのCD(註:'88年作『Stay Awake:Various Interpretations of Music from Vintage Disney Films』)を聴いて、ピーター・シェラーに紹介してくれと頼んだんだ」
 レミさん 「まだ仕事をしていない人で、今後してみたい人の名前を教えて」
 JM氏 「マリアンヌ・フェイスフル」
 レミさん 「Oui♪」
 JM氏 「エクトール・ザズー」
 レミさん 「エクトール・ザズー・・・」
 (レミさんは彼が好きではないらしい。でも私は彼の『SAHARA BLUE』っていうアルバムが大好きだもん!)
 JM氏 「キース・リチャード」
 レミさん 「何でキース・リチャードなの?(興味津々で)」
 JM氏 「分かんない!」
 レミさん 「他には?」
 JM氏 「いっぱいい過ぎるなあ〜」

 7曲目、JM氏『Glam Exotica!』から「Gnossienne#1」。
 レミさん 「グノシェンヌをカバーするのはどうだった?楽しかった?」
 JM氏 「うん。だけどやっぱり難しかったよ」
 レミさん 「今度来て演奏する時には、ぜひグノシェンヌを演ってよ」
 JM氏 「マリンバやピアノが出来る人を用意してくれるならね(笑)」
 レミさん 「楽器の用意はしておくから弾ける人を連れて来てくれよ(笑)」

 
8曲目、JM氏『Mondo Erotica!』から「La Cle」。
 レミさん 「ありがとうジュン、ありがとう絵子。これで終わりなんだけどいつでも来てくれよ。いつでも待ってるから」 

 ・・・ということで、放送は終了!
 「JM氏、フランスにお住まいになった方がよろしいのでは?」と声をかけたくなっちゃうくらい、レミさんとの息もばっちり。
 レミさんといい、ベルリンのペーター・シュルツェ氏といい、JM氏をこんなに大切に思ってくれるのは、たくさんの国、文化、時代を超えて、人、環境、それらが生んだ裏と表、陰と陽の生々しい部分を美しく切り取り、グレードアップしながら再構築する・・・というスタイルを持つアーティストが世界的に見ても稀少だからなんだと思いました。すごいぞJM氏! これからもがんばって戦い続けて下さいね。

 さてさて、Kievさんが番組出演時の様子を動画で観られるようにして下さいました。Kievさんありがとう!
【 JM氏 RadioNova出演レポート 動画バージョン 】(559KB)
※要QuickTimeプラグイン


=ラジオ出演を終えて=

 番組が終わった後、早速レミさんからお誘いが。
 近くのカフェっぽいところでシャンパンを抜き、話の続きを。そこには、レミさんのガールフレンド(?)が待機していた(たぶん少なくても常時20人はガールフレンドがいるんだと思う)。髪型はベリーショートで褐色の肌を持つモデルさんみたいな超カッコイイ人。若いよ〜!
 JM氏の新しいアルバムの構想を聞いてもらったり、レミさんがJM氏に知っといて欲しいというフランスのミュージシャンを教えてくれたり、ベルリンの話、日本の話、アート・リンゼイの話、ハルの話、ロバート・ウィルソンの話、デビット・リンチの映画の話、カリム・ドリディの話等々。とーっても盛り上がりました。
≪CoCa註≫
 カリム・ドリディ:フランスで活躍する映画監督。日本で見られる作品は『ピガール』や『キューバ・フェリス』くらいかな? 私的には『キューバ・フェリス』がお薦め! 『ブエナビスタ・ソシアルクラブ』よりもディープで色がすっごくキレイなの!ブエナビスタよりいい! JM氏と彼は'03年にSublimeのパーティーで知り合ったんだけど、たぶん近いうち彼らは一緒に映画を作ると思うので、乞うご期待!


=夜ご飯=

 夜ご飯は、'01年にパリに来た時アルチュール・Hと絵子さんと一緒に食べたアラブ料理のお店に行きたくて探したんだけど、無くなっちゃったみたいだったのでインド料理にしました。フランスってやっぱりご飯が美味しいねと、タンドリーチキンや、野菜のカレー、バターチキンをナンなどと一緒に頂きました。帰りはもちろん歩き。甘えは許されません!

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