CoCa's Wide Shut Update:01/12/03

▼ Report #6


「イノセント・ボッサ NY編 その3)〜 感動のフィナーレ?」

Text&Photo : CoCa
(構成:Kiev)


その2)

9月29日

 MIX最終日。JM氏がプールに行っている間に、私とS嬢はサンドウィッチを買って来る任務を仰せつかる。やっと時差ボケが無くなって、まともな食事パターンに戻ったのだ!

アメリカ式なのね(3)

 さて、サンドウイッチ店に来ました。う〜ん・・・迷っちゃうよ〜。種類がたくさんあり過ぎ!その場で固まってしまった私とS嬢。だって、お店の中はコミコミなのに、みんなこだわりがすごいの。
 例えばね、「パンはライ麦。軽く焼いて、バターは上の方だけ付けて。マスタードは入れないで、マヨネーズは下側だけにたっぷり。レタス、ベーコン、トマトの順番で重ねてくれ!」みたいな注文の仕方するの。も〜目が点・・・。
 私たちも、そんなに言わなきゃいけないのかしら・・・って超プレッシャー(S嬢はインターナショナル・スクールにずーっと通ってるから英語はネイティブなんだけど、このスピードには怯みまくり。えっ?私? ネイティブ・ジャパニーズです!でも日本語もアヤシイ・・・)。店員も難しい注文の時程燃える!というアメリカ的な人揃い。それに対抗するために15分近く考えてみたけど、結局食パンを焼いてもらった普通のB.L.T.(Bacon Lettuce and Tomato)にしました。小さな抵抗で、チョコクロワッサンも買ってみたけど・・・簡単なオーダー過ぎて、虫ケラのように扱われる。3秒で何事もなく注文の品が出てきた。チッ!ハンバーガーとコーラの国も侮れないね・・・トホホ。

 昼寝をしてから、River Soundへ。 
 早速「Lista De Praias」のアートのVoiceを録ります。どんなことをお喋りしてるんでしょうかって? それは、アートとJM氏しか知らないのです。でも、どこかでツルツ〜ル、スベス〜ベって言っているの。私はそこがすごくスキ!皆さんも耳をすませて聴いてみてね。これは、アートがOKならば、OK!
 そのままMIXに突入。難なくクリア。それなのに・・・ハーフインチブッ壊れの緊急事態!キャー! しかし、壊れたヤツに構っている暇無し! とりあえず他の物に全部落として、ハーフインチは明日までに直してもらい、もう一回落とし直して完成させるってことで、一件落着。
 ・・・とそこへ、ハル・ウィルナー氏がいらっしゃいました。

ハル・ウィルナーは、やっぱいい!

 おー、元気そうだあ。数年前に見かけた時には、はっきり言ってホームレスと間違えたくらいの彼だが、髪を耳たぶの長さに切り揃え(クセっ毛のせいで爆発はしているが・・・)、光ってる部分を隠す野球帽を被ってる。今日はここまで自転車で来たそうだ。以前足を引きずるように歩いていたのに比べると、30歳くらい若返った。アートとハルは同業者なので、お互い牽制しながらも友情を深め合っているようだ。ただ今ロビーには、アートとハルと私の3人。
(Photo[1]

 ハルは一度ロスに引っ越したけど、またNYに戻って来ました。今はホテル住まいなんだって(昔からアーティストがたくさん住んでることで有名なCホテルです)。おっと、MIXが一段落したJM氏もロビーにやって来た。嬉しそうに抱き合う2人。
 それが済むと、ハルはJM氏に
 「『星ノ玉ノ緒』の仕事は最高だったよ。今でも聴き直す度にワクワクするんだよ」
と言ったのよ。く〜泣かせるねえ〜。
 JM氏が、コンシピオ・レコードの高橋さんのおかげで再発出来た『星ノ玉ノ緒』を渡すと、すごく大きな声を上げて喜んだ。そして、その場でビニールをビリビリと破り、大きな掌で挟んでスリスリしながら打ち明けた。
 「実はさぁ、ロスで家が火事になっちゃったとき、このCDも燃えちゃってすごく困ってたんだ。でも、格好悪くて、もう1枚くれ!なんて言えないしさ。良かったーこれ貰えて!」
と満面の笑み。いいやつだな〜ハル・ウィルナーって。
 それにハルは、『Glam Exotica!』もとても気に入っていて、映画のプレゼンでバンバン使っているらしい。
 「この間やってた映画の仕事でさ、途中まで全編 『Glam Exotica!』を付けてたのに変わっちゃったんだ。それでさ、次に決まった作曲家も変わって、3人目は精神衰弱になっちゃったんだけど、そいつので何とかOKになったんだ」
と言っていた。
 JM氏が「あ!『Mondo Erotica!』あげてないんじゃない?」って思い出してハルにあげると、またまた嬉しそうにムフ、ムフムフッと体の内側だけで笑ってた。いいやつだな〜。
 その後、ハルは「Creamy Thighs」をMIXしているコントロール・ルームを見学。JM氏と2人でハリウッドの映画事情についてもお話していたみたいです。 

 ハルが帰って、曲にも目処がつき、今はアートのマネージャーのスティーブを待っているところ。約束の時間よりずいぶん遅れているみたい。アートは痺れを切らして、「カモーン!スティーブ!」と怒鳴っている。すると・・・来ました、来ました・・・えーーーーー地味〜!!
 JM氏曰く、「蒲田でパチンコしてる人みたい」だって(笑)。アート、ヴィニシウス、DJスプーキーなどなど、一応有名どころのマネージャーなのにさ! 蒲田でパチンコはマズいよね(蒲田でパチンコしてる方々、ごめんなさい)。

スティーブについて

 そんなスティーブを解説すると、コナカで買ったツルシのスーツに無印のA3手提げ鞄、駅前商店街で買った¥4,900の黒い皮のジャンパー。背の高さは、163cmってところかな〜。顔はトム・クルーズを25倍のお酢で薄めたような・・・感じ。
 ひどい事を書いたけど、スティーブには今回大変お世話になった。ありがとうございました(スティーブ、日本語読めないよね?)。
 挨拶もそこそこに、アートはスティーブに付き添われ、ニュージャージーにライヴをカマしに出かけていった。DJスプーキーと一緒にやるらしい。

トニーの怪しい行動

 その間、アシスタントのトニーは時間が余ってしまったらしく、雑誌を読んでいる。
 後ろからそっと覗くと・・・えええええええ? な・な・な何と!トニーは通販でライフル銃をご購入予定? 何でそんなの見てるワケ? でも怖過ぎて話題に出来ず、そのまま巻き戻したように後ろ向きで部屋を立ち去る私・・・(もう〜トニーったら、やんちゃなんだから)。
 せっかくの最終日なのに、「アートがライヴに行っちゃって、“終わったー”って感じ出ないよね〜」とJM氏。ハーフインチ以外の物を録り終え、アシスタントのトニーは卓の目盛りを超テキトーにポラロイドに納め、それを一揃えにして写真の束の墓場見たいな場所に投げると、右手の親指を立ててグーサインをした。こわっ!

 今日はピーター・シェラーとご飯を食べます。Fun Machineの近くにある、本格的なピッツァ釜のあるイタリアン。お店に着いた途端、6回続けてくしゃみが出ちゃった私。風邪ひいちゃったみたい。帰りたいよ〜ん。
 今夜は、モッツァレラチーズと、野菜の盛り合わせ、イカのトマトグリル。他にポルチーニのリゾット、ピッツアマリナーラとパスタをみんなで分けて食べることにした。
 何となく話の流れで、私も「エキゾチカ」と「エロチカ」の中で唄っているとJM氏が紹介してくれたら、
 「あ〜!あの歌唄ったの? そうなんだあ」
なんて、声を憶えててくれたみたい(いや〜照れますぅ・・・)。
 更に、JM氏が席を外すと「もっと、唄わないの?」と訊いて来るじゃないですか!あの元Ambicious Loversのピーターがですよ! 私、固まりまくりました。そして、
「えっと、音楽はすごく難しいから・・・もっと勉強しないと・・・」
なんて、しどろもどろ。これだから日本人は、世界で笑われるんだわ!私のバカ! でもピーターは、
 「そうだね。とっても難しいよね・・・」
と、静かに何度も頷いてくれた。何て優しいんだろ〜。天使みたいだな〜(ヒゲ濃いけど)。

 ピーターにさよならした後、何だか口数の少ないJM氏。さみしいのかしら? 何だか地味な終わり方に同情した私は、「がんばったね」と心温まる一言を投げてみる。
 しかし、返事は「バカ!」だって!
 ムカツいたので「何で!?」と訊くと、「鼻水出てるから」だって。鼻水出ているやつなんかに言われたくないんだってさ(アマノジャクだー!)。


9月30日

 今日はOFF!JM氏はハーフインチを取りにRiver Soundへ。
 私とS嬢は街をフラフラ。部屋に帰ると帰り支度。JM氏はラッパの練習です。
 そして、17:30に部屋を出てステーキを食べに出かけた。このお店は、昔JM氏がNYの日本レストランでアルバイトをしていた頃に、先輩のウェイトレスさんに連れて来てもらった所だそうだ。お店はイタリアンマフィアが仕切っているように怪しさ。ちょっとツインピークス入ってる?
 出てきたステーキは縦10cm、横20cm、高さ15cm!ゲゲゲー!タベラレナイ・・・。しかも、付け合わせ無し!つまんなーい!(別にお野菜頼んだけどさぁ)。クレソン1本でもいいから彩り欲しいっすよぉ〜。
 「こんなに時間をかけて肉だけを食べたことなかったよね」とか言いながら、黙々と“肉”に没頭する3人。しかし、半分も食べられずにリタイア。でも、持ち帰りにしてもらう。

 歯磨き後、アートが誘ってくれたコンサートに出かける。ブラジルのスーパースター、マリーザ・モンチ at ビーコン・シアター! アートも彼女のプロデュースをしてる流れで、チョロッと出るらしい(※註)。
 さっすがブラジルのスター! NY在住のブラジリアンがドッと詰めかけている。若い子、おばさん、おじさん、おじいさん、おばあさん。すっごーい!みんな一緒に唄ってるし、隣の人と肩を組み合って踊ってる。そんな大盛り上がりの中、私とS嬢は完璧に寝ました。連日のお疲れのせいです(お前が何をしたというのだ!というブーイングも聞こえてきそうですが・・・)。横目で探りを入れると、JM氏もウトウトしている。
 しかし少し経つと、パーカッションのカッコ良さにJM氏と私は飛び起きた。前列左右に分かれて2人のイカしたお兄さんがグルーヴしまくってる。その後、JM氏はパーカッションの部分だけ目覚めるが後は眠るという裏技を見せた。
 最後は、観客オール・スタンディングで大盛り上がり!踊るわ!揺れるわ!唄うわ!まるで、身内のパーティーみたい!私たちもその熱気でパッチリ目を覚まし、その様子を楽しみました。
 ライヴが終わると舞台裏に行き、アートにありがとうとさよならの挨拶をしました。

 タクシーに乗る前スーパーマーケットに寄って、ピタパン、ミックスリーフ、マヨネーズ、バター、アルミホイルを仕入れる。ホテルに着いてから、ステーキを小さく小さく切って、マヨネーズを混ぜ、アルミホイルを被せて、冷蔵庫で寝かしておく。明日の機内食よ〜ん。
 その夜、JM氏は頭痛のため眠れなかったそうだ。私も鼻づまりのため、自分のうなり声で何度も目が覚めた。一人部屋で、良かった〜。


10月1日

 朝8:00起床!支度をしてJM氏はプールへ。
 私はピタパンを半月型に切って、バターを塗り、マヨネーズ和えにしたステーキを詰めて、お弁当を作った。機内食、不味いもんね。ステーキサンドの出来上がり!
 空港に着いたらお腹空いちゃって、コーラを買って、食べたらもーーーすっごい旨〜い!

 そして今は空の上。NYは今、10/1の16:20。到着まであと9時間16分です。
 マスタリングやら、ジャケのデザインやら、まだまだ気は抜けませんが、ひとまず素晴らしい音が完成した旅でございました。じゃ、おやすみ〜。


※註 : アートは、マリーザの2ndアルバム『Mais』('91)以来共同プロデューサーを務めている。



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