CoCa's Wide Shut Update:03/06/03

▼ Report #13


CoCa's Wide Shut in Beijing その4)〜最終章〜
Text/Photo : CoCa
(構成:Kiev)

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=カルメン、朝食を救う=
 
 ライヴ2日目の朝、天気は曇り。今日はどんなハプニングが待ち受けているんだろう? 怖いけど楽しみウフフ・・・早速JM氏、S嬢と合流し、
 「今朝のご予定は?」と訊くと、
 「プールの後、近くのモールを探索して、ついでにお昼御飯もそこで食べちゃおっかな」だって。
 早速プールでサッパリして来て頂き、足取りも軽くモールに向かったが、な〜んにも面白いものがなくて、終末感漂っちゃってる。
 「じゃあさ、ホテルの中にある美味しいと噂の潮州料理を試してみる?」
 さすがJM氏頼れるぜ!とスキップでホテルに引き返し、お店の前に行ってみると今日はお休みだって。ガビーン!(大船転覆、流れ弾2発目・・・)せっかくの楽しいプランが2つとも撃沈したせいでJM氏のご機嫌は最悪!
 ここの近くにはディープなものを食べさせてくれそうな小さなお店もあるんだけど、ライヴが終わるまでは体調を崩せないので、安全なお店じゃないと・・・って事で却下。でもガイドブックに載っている安全そうなお店はどこも遠いので、お昼寝が日課のJM氏の事を考えると現実的じゃない。ここは大ブーイング覚悟で、
 「じゃあ1階のラウンジでヴュッフェの食事にしましょう」
と決死の取り舵いっぱい(えらいぞ!私+頷き係を演じたS嬢)。背後ではJM氏が、
 「だいたいハズレるんだよね、ヴュッフェの食事ってさ・・・」
と予想通りの反応(やっぱり言わなきゃ良かった・・・)。それでも、一度決めたらベストを尽くすJM氏の性格上、アメリカン、インド、中華、飲茶、寿司、フレンチ、イタリアン等々各国のお料理が並ぶラウンジを獲物を探す狼のようにゆっくりと歩きつつ、鍋の中をのぞき込んでいます。
 お料理は見た目に美味しそうなものがいくつかあって、提案した私としてはホッ! それに始めに食べたインドブースの揚げ煎餅がこれまたGOODで期待が高まったんだけど、良かったのはそこまで。それ以外はどれも不味い!一番ひどかったのは中国ブースの飲茶。悔しくていろんな国の料理を片っ端から試したけどダメ。そりゃ〜ないぜセニョリータ・・・ああ、潮州料理さえ開いていたら・・・JM氏の機嫌は最悪。無口も無口、ものすごい無口・・・(涙)。
 しかーし!その時スタンバイしていた小編成のオーケストラが(みんな若かったからどこかの音大生か?)歌劇「カルメン」の有名どころを演奏し始めたの。するとJM氏は「おっ!結構巧いじゃん」と持っていたフォークとナイフを小さく振って遊びだした。2曲目が過ぎ、3曲目には上機嫌に。やった!
 「ありがとうカルメン!」と机の下で手を取り合う私&S嬢なのであった。
 ・・・という朝の一幕。

 さて、集合時間がやって来たので、“the LOFT”ヘ。昨日“東苑戯楼”を出る時、音響チームは「これから徹夜状態でセッティングします!」と言っていたそうだけど、ちゃんと音出るかな?

 “the Loft”は、国営工場だった建物を再生させた北京初の大型レストラン&バー。
 1階はメタリック+コンクリート打ちっ放しで出来ていて、バーと、食事をしながらライヴが見られるスペース(天井からはなぜか木の枝が魔の森のように垂れている)、奥の方にインターネットカフェもあったかも(今日は照明さんの待機+道具置き場化されていたので、本当の姿は分からなかった)。2階は北欧っぽい素朴なギャラリーと女性オーナーの仕事部屋がある。5月にJM氏が視察に行った時には、このギャラリーの窓辺にはチェロを弾く人がいたんだそうです(残念なことに今回はいませんでした)。
 さて少し待たされたけどセッティング開始!
 大路さんのドラムは、なぜか埃で真っ白で、雑巾を借りて拭くところから始めなくちゃいけないし、おおたかさんのモニターは今日も無くて「僕のを使ってください。窪田くんおおたかさんのから聴きますから」と言って等さんが譲らなくちゃいけなかったけど、みんなは笑顔。このくらいはもう慣れっ子です。

=JM氏、職人になる=
 
 2度あることは3度ある。3度目の正直っていう方が嬉しいけど、そうは問屋が下ろさない・・・というのも、今朝あれだけ撃沈させたにも関わらず、神様はもう少しJM氏を鍛えたいみたいで、
お借りしたエレピの一番使用頻度の高い鍵盤が2つも沈んだまま上がって来ないという、北京公演最強のハプニングが発生したからなの。
 何せ中国初のエレピ、直してくれる人などいないでしょ?
 「中は結構ピアノと似ているんだけど」
と言いながら上蓋を外し、上がってこない鍵盤を何度も押してみるJM氏。でも上蓋を開けただけでは問題の箇所が見えない。下手にいじって壊しでもしたら大変だし、手の出し方が難しい。でもこのままではライヴ中止の可能性も。張りつめる空気・・・。
 そんな状況を察して、みどりさんとかおりちゃんがS嬢をショッピングに誘って下さり(感謝!)
私はナース役で(^^;)エレピに立ち会う事になったのだけれど、ボーっとしているうちにJM氏は姿を消えてしまった。ポツーン・・・・立ちつくすナースCoCa・・・。
 しばらくすると1本のボールペンと、1本のドライバーを手に持ってJM氏が帰って来ました。
 「どこに行ってたんですか?」
と訊くと、「フッ・・・」と小さく微笑んで(なんなのー!)エレピの内部をガードしてある鉄板を除去する為、ネジを外し始めました(脳ミソの手術をするために頭蓋骨を外すみたいな作業でしょうか?Oh!No!)。でも外さなければ行けないネジがたくさんあって一人では時間がかかるので、私も音響さんにドライバーを貸して欲しいと言ったんだけど、「はい」と言ったまま全然持って来てくれないの。
 「ドライバー見つかりませんか?」
 
と訊くと「捜してるんですけどね」って言う腰に2本のドライバーが刺さってるじゃないの!
  「これは?」と訊くと「今から階段の金具直すので必要なんですよ」という答えが帰ってきた。うりゃ〜〜〜!
 「あなたの背中にプラスドライバーの桜吹雪が散るわよ!」と言ったかどうかはご想像におまかせしますが、とにかくその人から無理矢理ドライバーをゲットし、ネジを外し始める。
 「急いで外してネジを中に落とすんじゃないぞ!」
 「ヘイ!親方!」
 いつの間にか左官屋さんの丁稚にさせられてしまいながらも(やっぱりそういうキャラなのね?)ネジ外し終了!いよいよ修理。
 「これからどうするの?」
 「ヘッヘッヘ・・・日本に電話して、このエレピを売ってくれた人から修理の仕方のレクチャーを受けたのさ!黙って見てな!」
 ボールペンの先でツンツンッとハンマーを支えているフェルトの穴を広げると、あ〜ら不思議!アッという間に見事修復!ネジを戻して上蓋を締めて、セッティングをし直して完成!
 エクセレント! 思いがけなく手に職を付けてしまったJM氏なのでした。

=出陣前のひととき=

 今日の楽屋は2階のギャラリースペース。ここにはソファーがあるので、なかなかリラックスできる。
 サウンドチェック後は、Loftの女性オーナーに出して頂いた赤ワインをともさん大路さん伊丹さん達と飲みながらリラックスタイム。でもJM氏はビールを片手に新しい出会いを求めて散歩に出かけ、窪田さんは鋭気を養うためにソファーでお昼寝、おおたかさんの姿は見えません。と、皆さんいつもの通りのマイペースぶり。
 出陣も近くなった頃、私がなんとなくブラブラ体操を始めると、「それ効くんですよね」なんて言いながら、等さんもブラブラ体操を始める。そしてともさんも、丁度やって来たJM氏もブラブラ体操を始めた。みんなでブラブラ。さーていよいよ出陣!今日は血流の良いライヴになりそうです!

 ここで今夜の曲目を紹介!

1)Elfin (from 『Mondo Erotica!』)
2) Caluna
3) Lotus Isle
(from 『Glam Exotica!』)
4) Cubic
5) Eastern Twins(as intro)
(from 『Ici Tokyo こちら東京。』)
6) Mosquito Path
(from 『Glam Exotica!』)
7) Kite
(from 『常夏乃憂ヒ LIVE at CAY '95』)
8) Rain Forest
(from 『Glam Exotica!』)
9) Grapes
(from 『Latinism Reversible』)
10) 夜深沈
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Encore
1) Pedal
(from 『常夏乃憂ヒ LIVE at CAY '95』)
0pp) Ave Maria
(from 『Mondo Erotica!』)

 今日のお客さんの大半は若手ミュージシャンで、結構有名なバンドの人も来ているみたい。ライバル心むき出しで、舞台に上がり機材をチェックしている子もいる。この緊張感いいわ〜。
 さて時間です!「Elfin」の重奏低音が、Loft全体を繭のように包み込んで現実世界から隔離し、JM氏のソロがその繭ごとググーンと無重力の場所まで連れ出したら「待ってました!」とばかりにメンバーの技の応酬!
 彼らが放出する音の分子は体に穴が開くくらいの高速度で飛び交い、観客の体に入り込み、駆けずり回る!初めて目の当たりにするこの現象に、若手ミュージシャン達はありったけの好奇心と緊張感と集中力結集させて、吹き飛ばされないようにしている感じ。産まれた川に戻るサケ状態!
熱いぜ!
京劇の方々も熱いぜ!
 京劇の方達の踊りも昨日とはまるで別物! 同じ振り付けのはずなのに伝統芸能という枠が取り去らわれて積極的に彼ら自身が必要としている踊りを踊っていてすっごく魅力的だった。京劇嫌いの若者も彼らの踊りに見入ってたし、京劇が出るからという理由で来なかった仲間にも見せたかったと悔しがっていた。
 Encoreにもなると、等さんはベースを振りまくり、おおたかさんは「Ave Maria」に異国の唄を重ねて唄うし、ともさんはシンバルを持って踊るし・・・とピンボール状態だった音の分子は結集して竜のように帯状となり、そこにいる全ての(メンバーも)人々を飲み込んでしまったみたい。そしてライヴが終わった時の観客の拍手と歓声は、日本でこのページを見て下さっている方々にもぜひ是非聴いて欲しかったほどでした(あなたもこの凄さ分かってくれるのね!hugって感じ?)
勢ぞろいだぜ!
 客席に電気が付いた後も観客は全然帰らない。それどころか楽屋からビールを片手に持って出てきたメンバーをワーッと取り囲んで拍手&歓声&握手責め。
 「こんなの見たこともないし、聴いたこともなかった!」とみんなが口々に言ってた。

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